血液検査の限界

分子栄養学実践講座では、一般的な血液検査のデータから足りない栄養素を読み取る方法を勉強していただいています。

血液検査から栄養状態をどうやって読み取るのか?
その方法の一部をご紹介します。

たとえば、たんぱく質の代謝の評価の仕方です。
それには、体内の酵素を評価する方法があります。

ASTやALTというのは、一般的に肝機能を見る検査項目です。
逸脱酵素といって、肝臓の細胞内に多く含まれる酵素なので、脂肪肝や肝炎など肝臓の細胞が破壊されると、細胞内から細胞外にでてくるので、血液検査で上昇がみられます。

しかし、その一方で酵素もたんぱく質でできています。
だからたんぱく代謝が落ちていると、これらの酵素群の数値が軒並み低めになります。

健康診断の結果をお持ちの方は見てみてください。
単位がU/Lになっている個所がありますね。
これは酵素活性を表す単位です。

これらの数値が低めなら、酵素活性が落ちていることを意味します。

私は10年間で10000人以上の血液データをこういう観点から読んできました。
だから、患者さんの血液データを2,30秒みれば、大体の栄養状態が推定できます。
この方法を知ったときは、こんな方法があるのかと感激しました。

だから、当時の私は患者さんに得意げに、
「このデータで見ると、あなたにはビタミンBが足りないですね。」
などと言ってサプリメントを処方していました。

これは非常に画期的な手法であり、治療のために重要な情報なのですが、あくまでも参考情報に過ぎません。

患者さんは血液データを読んでほしいわけでもなければ、データの数値を改善してほしいわけでもありません。

主訴を聞いてほしいし、症状を治してほしいのです。

昔の私は血液検査をいかに深読みするかにのめりこみ、目の前の患者さんの主訴を聞いていませんでした。

全ての検査や治療は目的をはっきりさせなくてはいけません。

そして、目的は患者自身の

1意志、考え、哲学
2症状
3検査結果

に沿うようにしなくてはなりません。

その優先順位は常に1>>2>3であるべきなんですね。

そんなわけで、昔の私は血液データの結果に基づいて、詳細なレポートを書いていましたが、今ではやっていません。

もちろん検査結果は参考にしますが、最後は患者さんとの話し合いの中から、治療方針を相談して決めるようにしています。

そのプロセスを経由して決めたサプリメント処方は、血液データのみから導き出した処方よりも全然効きます!

サプリを効かせる方法論 

・検査データを治すことが目的にならないようにしよう。

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