遺伝子検査と栄養療法

私は大学時代、よくカラオケに行っていったのですが、飛び入りでカラオケコンテストに参加して金賞をとってしまうくらいとびきり歌のうまい友達がいました。

人には一人一人違った個性があり、顔立ちや性格、体格などの特徴はすべて、DNAという生まれもった設計図の影響を受けています。

実は、音楽の才能は92%、その設計図で決まるということがわかっています。

実は、彼の親父さんは、誰もが知っている有名な作曲家でした。

学生の時は、おぼろげに「やっぱり音楽の才能は遺伝なのかなあ」と思った記憶があるのですが、それは事実だったんです。

遺伝子多型とそのの種類

人間の遺伝子は2003年に解読が終わり、その内容を精査する段階に入っています。

その結果、ヒトの塩基配列は、一人一人微妙に異なっていることがわかってきたのです。

人の遺伝子の99.9%は同じ配列になっていますが、個人により多少違いがあります。

このように、遺伝子上の一つの塩基が別の違う塩基に置き換わっている事を「遺伝子多型」と呼んでいます。

特に2007年以降、新しいタイプのDNAシークエンサー(塩基配列を読み取る機械)が開発され、コストが飛躍的に低くなったため、研究も飛躍的に進みました。

遺伝子の統計学も集積したためか、「遺伝子多型」の中でも、

全体の中で少なくとも1%以上の人が持っているものを「SNP(スニップ、一塩基多型)」

1%以下の人しか持っていないものを「突然変異」と呼ぶようになっています。

遺伝子要因と遺伝子外要因(エピジェネティクスクス)

この遺伝子のSNPが、遺伝子をもとに作られるたんぱく質の構造の変化をもたらしたり、作られる酵素の不備によって、代謝や免疫に影響することがあります。

もちろん、SNPだけが病気になるかどうかを決めるわけではありません。

疾患リスクは、生活習慣、食事などに大きく左右されます。

例えば、がんの発生にかかわる遺伝子要因は40%です。

血統がいいサラブレッドでも、環境や食事が悪ければ、駄馬になってしまうし、遺伝子に問題があっても、食事や環境をうまく補うことで、ダービーを制覇する可能性もあるのです。(運動の遺伝子要因は85%と言われています)

これをうまく使えば、SNPに注目した体質や病気へのかかりやすさなどの個人差を踏まえたオーダーメイド医療ができます。

このように遺伝子の設計図以外の要素で人間の体や働きが変化する研究を「エピジェネティクス」と言っています。

ニュートリジェノミクス

さて、分子栄養学は、基質(鍵穴)と酵素(鍵)の親和性を補酵素で補う学問です。

酵素という鍵は遺伝子の設計図を基に作られます。

人によって鍵の形は少しずつ異なりますので、鍵穴にうまく入れない場合もあるのです。

その場合は、補酵素(グリース)を多めに使うことで解決することができます。

分子栄養学はビタミンを補酵素として使う学問なのです。

その分子栄養学にエピジェネティクスの考え方を取り入れようとする動きが広まっています。

つまり、遺伝子のSNPを検査することで、うまく働かない酵素を予想して、それをもとにサプリメントの組み立てを行っていくのです。

これを、「ニュートリジェノミクス」といいます。

遺伝子のSNP検査をすることで、あらかじめ弱い遺伝子、酵素がうまく作れない箇所、酵素反応がうまく行かない場所が推定できます。

その酵素反応が弱いところを補うように補酵素を入れてあげるのです。

この治療法は非常に画期的です。

今まで見えなかった生化学経路の渋滞個所が事前にわかるのです。

渋滞情報がわかるカーナビと同じくらい画期的なシステムです。

今まで手探りだった自閉症治療などはこのニュートリジェノミクスの考え方を取り入れるようになり大きく変化することになりました。

このニュートリジェノミクスの分野で、圧倒的に世界の最先端をいっているのがベン・リンチ博士です。

彼の方法論はまさに素晴らしいの一言に尽きます。

私は彼の許可を得て、彼の遺伝子栄養学基礎セミナーを翻訳監修しました。

この分野を勉強するのに不可欠な、

「メチレーションとは何か?」

という事について、基礎から詳しく説明しています。

半端な有料遺伝子セミナーに比べて、質、量ともに圧倒的だと思います。

遺伝子を踏まえた分子栄養学に興味のある方は是非一度ご覧ください。

ちょっとむずかしめですが、本当にお勧めです。

http://ikashika.org/mthrfnet/?p=74

p.s.1

私は

「分子栄養学」+「遺伝子検査}=遺伝子栄養学(ニュートリジェノミクス)

という理解をしています。

p.s.2

才能が92%という数字を聞いて、カラオケの上達はあきらめました。

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