サプリメントの投与量を減らしていくコツ

このようなご意見を頂きましたのでご紹介させて頂きます。

前略

○○市にて開業している○○と申します。
メール講座では、毎回示唆に富むお話が読めて、とても勉強になります。

当院でも最近から栄養療法を取り入れていますが、先生の体験談でも紹介されていたように、単純に足りない栄養素をサプリで補充しても、改善しない症状、患者さんを多く見受けます。

さらに勉強させていただき、患者さんの症状改善として還元できたらと思います。

血液検査で足りないと思われるビタミンや微量元素を調べて、高いサプリメントを勧める、というだけでは、これまで行ってきた、検査結果から化学製剤を処方する、対症的な西洋医学的治療とあまりかわらないと感じています。
さらに経済的に患者さんに負担がかかるようでは、かえって保険診療以下になってしまいます。

(以下、省略)

ありがとうございます。

今回は、「栄養療法は、サプリメントを飲み続けないと効果が持続しないので、対症療法ではないか」という事について考えてみたいと思います。

対症療法と原因療法

対症療法とは、表面的な症状の消失あるいは緩和を主目的とする治療法のことです。
それに対して、症状の原因そのものを制御する治療法は原因療法といいます。

例えば、風邪の患者さんに対して処方する薬は解熱剤、消炎剤、鎮咳剤などですが、これらは全て対症療法です

風邪の場合は、対症療法をしているうちに自然治癒力で治ってしまうのですが、慢性疾患の場合はそうはいきません。

根本原因がそっくり残っているので、治療をやめたら、症状は元通りになってしまいます。

慢性疾患の場合は、症状安定後、治療をやめたら、全く元通りになってしまうのが対症療法で、治療をやめても、そのまま安定しているのが原因療法ということができると思います。

単純な栄養療法は対症療法である

では、慢性疾患に対して栄養療法は対症療法なのでしょうか。
自閉症について考えて見ます。

グルタミン酸は体内にある主要な興奮性の神経伝達物質です。
通常ではこれが増えた場合、抑制性の神経伝達物質GABAに変換されます。

自閉症の診療の権威エイミー・ヤスコDrは、自閉症児の場合、この経路に障害があるとしています。

このグルタミン酸からGABAへの変換を行う酵素であるGADの補酵素がビタミンB6であることが知られており、 自閉症の治療に長年使用されてきました。

この経路の障害は遺伝子変異が原因とおもわれます。
栄養療法は補酵素を大量に投与する事でこの経路の障害をカバーしようとするもので、正しく使うと大変効果的ですが、しかし、栄養素を中止すれば病状は戻ってしまいます。

つまり、単純な栄養療法は決して、原因療法ではないのです。

対症療法にもレベルがある

しかし、対症療法にも様々な種類、レベルがあります。
そのレベルは、「治療して症状が安定した後、その状態を維持するためにどれだけ
メンテナンスのコストと手間がかかるのか」によって決まります。

栄養療法は、保険適応外であり、相応のコストと飲み続ける手間が必要です。

血液検査で足りない栄養を割り出し、それに対してただ処方するという方法はそういう意味で、「より対症療法的な栄養療法」になりがちです。

だから、そうならないために「なぜ、栄養素が足りない状態になってしまったのか」
また、「他にこの経路を阻害する要因はないのか」を考える事が重要になってきます。

上記の自閉症の例で言えば、グルタミン酸 ⇒ GABA への変換を拒む要素は他にもいくつかあることがわかっています。
それは、体内への水銀の蓄積や、ウイルス感染などです。

水銀の蓄積があった場合、キレーション治療をする事で、この経路はやはり活性化されます。
これにより、必要なサプリメントの量をぐっと減らすことができる可能性があります。

原因療法の併用で対症療法の量、コストを削減しよう

分子栄養学は「遺伝子異常による活性の低い酵素を大量の補酵素で補う治療」です。

だから、そういう意味では対症療法でしかありえないのですが、他に酵素活性が低くなっている原因をみつけ対処していくことでメンテナンスにかかるコストと手間を減らしていくことができます。

栄養療法に基づいて治療方針を考える事は、このような根本原因の追究を
するのに最適なフレームワークを与えてくれます。

栄養療法を理解する事は体の仕組みを理解する事だと思います。

サプリを効かせる方法論 その8

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