私の患者さんとの会話術

こんばんは、宮澤です。

私は医師になって3年目の冬、私は茨城県の大規模研修病院に勤務していました。
呼吸器科に配属されていたのですが、そこでの体験は今でも忘れられません。

過酷だった病棟勤務

呼吸器疾患は冬に増悪します。

私は、指導医と2人で最高55人の入院患者さんを受け持っていました。

55人の入院患者さんを回診するためには、一人1分の診察でも55分かかります。

移動時間も含めると、朝7時半から回診をスタートしても、終わるのは9時ぎりぎりでした。

9時から指導医は外来を担当し、私は気管支鏡等の検査です。
検査がない日は、抗がん剤の点滴を作るために病棟を廻りました。

10時半になると検査室から前日に採血した患者さんの緊急検査があがってきます。
それを見ながら処方や点滴内容を変更したりの指示を出します。

そうしていると、ポケットベルがなります。
外来からです。

指導医からの入院指示でした。

「 ○○さん、間質性肺炎の増悪で入院。
迎えに来て、入院指示だしといて。 」

「 先生、でもベッドが空いていません。
昨日も、空いてなくて、南病棟の泌尿器科と東病棟の耳鼻科からベッド借りています。」

「 ○○号室の××さん、明日退院予定でしょ?
もう大丈夫だから、家族の方に事情はなして、今日迎えに来てもらって。」

「 わかりました。」

指導医の先生も、入院させたい患者さんが多くいる中で、この人だけは!という人を絞って、入院させています。

私も、病棟主任と一緒に、あの人はもう大丈夫なんじゃないか、あの人は他科の病棟にお任せしてもいいんじゃないか、などとパズルの様なことを考えていました。

午後からは、また検査か、それがないときは、病棟で各種の処置(胸水がたまっている人の排水、局所消毒、カテ交換など)、検査結果の整理とカルテ書きです。

面会が始まるので、入退院の患者さんと病状変化のあった患者さんはご家族を呼んでお話しします。

抗がん剤を導入する方には、中心静脈カテーテルを挿入します。

また、この病院には救急外来もありましたが、救急外来専門医は当時いませんでした。

外科と内科の研修医が交互に日直、当直をしてまわしていました。

喘息の重責発作、呼吸停止などがあれば、私が呼ばれるわけです。

私は、病院からクルマで3分の所に住んでいましたが、あまりにも呼び出しが多いので、半分病院に住んでいました。

充実していたが何も考えていなかった

猛烈に忙しかったのですが、自分の中では、「仕事をしているぞ」という勝手な充実感を味わっていました。

患者さん55人の中には、肺結核、肺炎、気管支拡張症、間質性肺炎など様々な方がいましたが、やはり多かったのは肺がんです。

特に、内科の入院病棟に入ってくる肺がんの患者さんは、ほぼ100%外科で手術が出来ない、進行がんの患者さんです。

私が無念に思ったのは、百人以上のがん患者さんを診ていて、本当の意味で完治した人が一人もいなかったことです。

抗がん剤が効いてがんが縮小して、「退院おめでとうございます」となっても、数ヵ月後に戻ってくる方が多いのです。

ある年の2月には11名の患者さんが亡くなりました。
患者さんは相当苦しかったと思います。

がんの痛みはモルヒネを使えばいいのですが、呼吸苦はどうにもなりません。

「 頼むから楽にしてくれ。」

患者さんにも家族にもこういわれて、何も出来ない時には自分の仕事の意味がよくわからなくなりました。

毎年冬が近づく季節になると、昔の事を思い出します。

懐かしいとは思いますが、昔に戻りたいとは思いません。

なぜなら、昔は、「自分は働いているんだ!」という自分勝手な充実感だけはあったけど、本音で患者さんと話せたかというと、全く自信がないのです。

特に治療内容、治療方針の話になると、毎日、教科書的な内容がそのまま口から出るような状況でした。

おそらく、保険診療の中の狭い選択肢の中に患者さんを押し込めるような後ろめたい気持ちがあったのかもしれません。

「抗がん剤しか方法はありません」という言葉にはそれを隠すかのように自然に力が入っていました。

現在している話


今日、転移性大腸がんの患者さんが相談にみえました。

「いきつけの病院で大腸がんの手術をした後、転移がみつかって、後半年の命といきなり宣告されて意気消沈してしまった。

今まで抗がん剤で散々苦しんできたので、抗がん剤はもうしたくない。

でも、どうしたらいいのか。」

という事で来院されたのです。

「 いいじゃないですか。
貴方が決めたことだから。
その選択に自信を持ちましょう。」

「 抗がん剤をやる、やらないは今急いで決めなくてもよい。
でもどちらにしろ、免疫を上げたほうがいい。
あと半年の命かどうかは誰にもわからない。
でも、命を決めるのはがんの大きさじゃなくて、免疫力と栄養状態だ。」

「 がんは半沢直樹みたいなもんですよ。
やられたら、倍返し、だから!
抗がん剤で叩かれたがんは、再発するとより強力になるんですよ。」

私は、心のそこから思っている事を包み隠さず言ったところ、

「 やっぱり、こういう選択してもいいんですね。
これから自分に合いそうな病院を廻ってみます。
ここも、時々来ますから。                   」

患者さんも言いたい事をいってすっきりしたみたい?です。

ビタミンC点滴治療にも非常に興味を持っていただけました。

私は栄養療法をはじめて一番よかったことの一つが、「自分が自由になったこと」です。
一度選択肢を広げる訓練をすれば、それは栄養療法以外にも広がります。

少なくとも治療の選択肢は格段に広がりました。
選択肢が増えるということは、自由になることです。

だから、特定の治療、特定のサプリ、特定の検査、特定の考え方に縛られることには人一倍反応してしまうのかもしれません。

自分が自由になることが優先と書くと、また怒られるかもしれませんが、自分が自由に楽しく、熱意を持って一生続けられるような医療でなくては、長期にわたって人を治療する事などおぼつかないと思います。

最近、うつになる医師が多いそうです。

サプリを効かせる方法論

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