たんぱく質不足と言われるのですが

栄養療法をはじめても、まだまだ「たんぱく質不足」と言われます

私の副腎疲労外来にセカンドオピニオンを求めていらっしゃる方は結構多いのですが、その中でも、一番多い主訴がこれです。

検査で足りない栄養素を見極めて、その足りないものを補うことで治療を行うのが栄養療法の基本です。

若い女性で、疲れやすいという主訴をもっている方が、栄養学的検査をするとほとんどの場合、「タンパク不足」という診断がついてくるようです。

また、3分の2以上の人に「低血糖症」という診断もついてきます。

だから、その人たちへの治療は多くが、「糖質制限と高たんぱく食」になっています。

また、同じく3分の2以上の人に 「ビタミンB不足」という診断もついてきます。

そのようなたんぱく質とビタミンBを処方されて、糖質制限を何か月もしても治らない方が私のところにいらっしゃる時の決まったセリフが、今回の題名です。

タンパク質は一番消化しにくい栄養素

「血液検査でタンパクが足りないから、タンパクをもっと摂りなさい。」

「タンパクをとれば、体がだんだん慣れてきて、もっとタンパクを摂れるようになる。」

という説明を受けているようですが、ナンセンスです。

たんぱく質の消化能力には限界があります。

日本人は一般的に、欧米人に比べて胃酸、消化酵素が少なく、腸が長い体質を持っています。

サプリメントという武器は、消化管から吸収されてはじめて威力を発揮します。

そういう面で、欧米人はサプリメントを使うのに適した体をもっています。

健康で代謝能力がある若い人はプロテインを消化吸収できますが、病気で代謝が落ちている人は多くの場合、胃酸や消化酵素の分泌も低下しています。

無理してタンパクを摂った人の中には、消化不十分のため腸内環境を悪化させている場合も多く、その場合、お腹のはり、便秘や下痢、便のにおいが強いなどの症状を訴えます。

アジア人は、まずは消化という壁を乗り越えるために、もう一ステップ段階を得る必要があります。

タンパク摂取量は70g、必要量は300g

体重60gの大人の場合、1日に必要なたんぱく質の量は60gとされていますが、その人が消化酵素として1日に消化管内に放出するたんぱく質の量は70-80gです。

これらは、体内に貯蔵しているアミノ酸の貯蓄からつくられる1日300gの体タンパクの一部です。

つまり、「 タンパクは摂取量よりもリサイクル効率が大事 」なんです。

摂取しても酵素によってうまく人の使えるアミノ酸に転換できなければ、腎臓から排泄されるだけです。

アミノ基転移酵素や、脱水素酵素など、アミノ酸をうまく使うための酵素の補酵素はビタミンB6を中心としたビタミンB群です。

ビタミンB不足に対しても、単純にサプリメントで補給するだけでは、脳がなさすぎます。

ビタミンB3,5,6,12、葉酸などは、腸内細菌によって合成されるビタミンです。

ビタミンBが足りないのなら、腸内環境の悪化がないかをチェックすることが必然です。

腸内環境が悪いと、低血糖は悪化するので、Bを生産するどころか消費が亢進します。

検査で足りない栄養素を見つけるという事は非常に大切なことです。

しかし、足りない栄養素を単純にサプリメントで摂っても病状の多くは改善しません。

(フェリチンが10以下の時のヘム鉄など極端な場合は例外です)

大事なことは、栄養素が足りなくなっている理由をみつけるという事です。

その理由をみつけて、どう対処するかによって、症状を踏まえた根本的な解決に近づくことができます。

サプリを効かせる方法論

「 足りない理由をみつけよう 」

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