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『レインボーシックス シージ』に中村育美氏デザインのスキンが実装! コラボの経緯と、中村氏の今後の活動も聞く【インタビュー】 – ファミ通.com

 ユービーアイソフトのタクティカルシューター『レインボーシックス シージ』にて、元プラチナゲームズ、元Tango Gameworks、元フリーランスのゲームクリエイターである中村育美氏のデザインによるスキンが2021年3月2日(北米時間)に実装されることが発表。その中村氏に、今回のコラボの印象やデザインのポイント、そして現在の活動について話をうかがった。

※インタビューの収録は2020年10月に行っています。

中村育美(なかむら いくみ)

クリエイティブ・ディレクター、アートディレクター。プリプロダクション プランナーや、デザイン、キーアートなど幅広く活動。『大神』、『ベヨネッタ』、『GhostWire: Tokyo(ゴーストワイヤー トーキョー)』などの開発に携わる。現在、アメリカのクリエイティヴ・アーティスツ・エージェンシー(CAA)に所属するゲームクリエイター。

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デザインのコンセプトは中村育美節が光る”不気味さ”!?

――今回の『レインボーシックス シージ』でのコラボにいたった経緯はいかがでしたか?

中村「UBIだいしゅき!」とつぶやきすぎていましたら、カナダで講演会を行っていたときに、ユービーアイソフトさんのモントリオールスタジオを見学させていただく機会に恵まれました。『シージ』のチームを紹介されたときにディレクターのリロイさんにいきなり近づき(笑)、「何かやりませんか!」と声をかけたことが、今回のコラボのきっかけですね。

――わりとトントン拍子にお話が進んだのでしょうか?

中村そうですね。最初は私をオペレーターとして登場させてもらえないかという図々しいお願いをして(笑)。「HIBANA、ECHO、それに続くのは、NAKAMURA IKUMI!」と。リロイさんはおもしろがって、「武器は何を使うの?」と聞いてくれて、「RPGかグレネードしか使えないです!」と答えたら苦笑いされましたね。それから、チームの方たちとやり取りをさせていただいて、スキンのデザインをさせていただくことになりました。

――最初にかなりの無茶ブリを(笑)。

中村ふだんの仕事もそうなんですよ。無茶から入って、だんだん落ち着けていくという。

――オペレーターのスキンは、何種類ほどデザインされたのでしょうか?

中村今回、担当したのは8名のオペレーターです。最初は「全部のオペレーター(※2021年2月22日時点で58体)をやらせてほしい!」とお願いしたのですが、実装までの期間や開発スケジュールもありますので、さすがに無理ということでした。私のほうでオペレーターを選んでいいと仰っていただき、印象深いオペレーターたちを選びました。

――デザインの制作期間はどれくらいでしょうか?

中村デザインの考案自体は、1ヵ月ほどでしたね。そのあとにチームからのフィードバックなどがあり、実際に完成までは2ヵ月くらいでした。

――チームとのやり取りはいかがでしたか?

中村アートやモデラーのチームとお話しできて、チームの雰囲気を感じることができて刺激的でした。それが2020年3月のことで、その後に新型コロナウィルスの影響があり、ゲーム内でのスキンの配信が少し遅れてしまいました。

――今回のデザインのポイントはどういった部分でしょうか?

中村もともと開発畑の人間ですので、各キャラクターでバラバラにデザインすると、モデラーさんの作業コストがかかってしまうと思いました。たとえば、テクスチャを変えてしまうとヒットボックスなどにも影響が出てしまいますし……。実際にはまず、各スキン全体に通じるコンセプトを立てることにしました。DOKKAEBIというキャラクターの名前が韓国語で”鬼火”を表すことから、幽霊とか妖怪といったイメージのコンセプトがおもしろいのではないかと思いました。世間から”中村育美といえばホラー”みたいに思われていることもあり(笑)、これはマッチするのではないかと。

――幽霊や妖怪のイメージを、各キャラクターに合わせて広げていった感じですね。

中村たとえば、夜叉とか耳なし芳一とか、そういうテーマを入れつつ、各オペレーターのお国柄に合わせた”不気味さ”に通じるようなデザインを考えていきました。それと、私がここ数年好きなスポーティーなファッションも取り入れて、”不気味なんだけどスポーティー”かつ開発コストを抑える、というデザインに仕上りました。『シージ』のこれまでのスキンに比べると、「えっ!」と思われるかもしれませんが、いい意味の驚きであってほしいですね。

――中村さんは、ふだん『シージ』をプレイされますか?

中村私はシリーズで言うと『レインボーシックス ベガス』から入ったユーザーで、そのときに「このゲーム、ラペリングすごい」と感じました。『シージ』は、初期の頃にプレイしていました。『シージ』は女性キャラクターが非常に魅力的で、バックグラウンドもしっかりと考えて作られているな、と思いました。

『レインボーシックス シージ』とクリエイター・中村育美氏が電撃コラボ! オリジナルデザインのスキンで

さまざまなエンターテインメントをゲームにつなげたい

――中村さんは現在、日本を拠点に活動されているのですよね。

中村はい、そうです。会社を作っちゃいました! 

――それはビッグなニュースですね!

中村2020年はいいことがあまりなかったので、自分でアクションを起こしてみようと思い、やりたいことを考えた結果、会社を作りました。当初は、2020年5月からアメリカにあるスタジオに勤める予定だったのですが、新型コロナウィルスの影響でペンディングになり……。ユービーアイさんからもいっしょに働かないかとお声掛けをいただいて悩んだのですが……日本で独自に活動をすることにしました。

――現在はどのような活動をされているのですか?

中村私が代表で、ほかに社員が1名(2020年12月時点で)います。現在は自分のIPを制作していたり、海外のクライアントとの仕事を行っています。

――中村さんご自身のIPというのが、非常に気になりますね。

中村「自分のIP」ということしか、まだお話できません(笑)。いまは企画の段階でして、これからどうやってレールに乗せようかという、プリプロの初期の段階ですね。

――なるほど……! 海外企業との取り組みはどのようなものですか?

中村アメリカのCAA(クリエイティブ・アーティスツ・エージェンシー)という、J・J・エイブラムスさんなどがいらっしゃるエージェンシーにスカウトされて所属しています。それをきっかけに、いろいろな方や企業と会わせていただいていて、それがいまも続いているという感じですね。とにかく、会って、会って、いろいろな視点から眺めて、2020年は種を撒いていき、2021年にいろいろなことをやりたいな、と。

――それは、ゲームだけにとらわれず、エンターテインメント全般に関してという感じでしょうか。

中村そうですね。CAAには多くの部門があり、私はゲーム部門に属しています。映画やテレビ、メディア、各種企業につながりが広いエージェンシーですので、何かやりたいことがあるときにサポートをいただけるのが楽しいですね。とはいえ、もちろんゲームを作りたい気持ちはあります。インディーゲームのような成長過程にある作品を制作している方々からアドバイザーとして意見を求められることも多く、そういうところでコラボを行ったりもしています。

――幅広く情報を収集しているところということで、「いろいろなことをやりたい」という気持ちは昔からあったのでしょうか?

中村カプコン、プラチナゲームズでさまざまなことを学び、Tango Gameworksの立ち上げに関わってから数年が経ったころに、「もう少しいろいろなことをやりたい」という欲が出てきました。音楽や映像、そのほかさまざまなエンターテインメントがあり、そういったものをすべてゲームにつなげられないかな、とずっと考えていて……たとえば、ファッションとゲームをつなげたり。いろいろとやりたいことが増えていく中で、企業に属しているとなかなか難しい部分があって悩んでいましたね。

――現在、ゲーム業界の動きに関して気になっていることはありますか?

中村私はいまマレーシアや韓国など、アメリカ以外の国とも仕事をしているのですが、それらの国の比較的若い会社では「AAAを作りたいのではなく、いい作品を作りたい」と感じる動きがすごくあって、自分の中でかなり刺激になっていますね。ほかにも、2020年は世界が急速に変化して、エンターテインメントの需要が高まっている状態で、出資してくれる企業が増えていたり、逆に出資側の企業から提案を受けたりといったこともあります。

――さまざまなお仕事をされている中で、大事にしているポイント、信念はどういった部分でしょうか?

中村私はそれほど絵が上手ではないのですが、「絵を描くのがデザイナーやアートディレクターの仕事ではない」と各所で説明しているんですね。ゲーム開発において、シナリオや設定、世界観などの元になる部分を絵に落とし込むときに、自分の中でもう1段階、2段階、物事を広げてからアウトプットすることを心掛けています。私の場合はあまり自分というものがなく、どんな物にも合わせられるタイプです。私の仕事は、元になる部分を理解して、それに対して私ができることをつなげていくことだと思っています。セクションの壁を越えて。

――今回の『シージ』のコラボでも、元ある世界観がより広がっていると感じます。

中村これまでの『シージ』とはまた違った、”不気味さ”や”超常現象”といった世界観を表現してみました。ぜひともこの雰囲気を楽しんでもらえたらうれしいです!

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