免疫系疾患の考え方

免疫系疾患

関節リウマチ
アトピー性皮膚炎
掌蹠膿疱症
クローン病
など

56歳男性 関節リウマチ、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

関節リウマチ

1年前から左ひざに強い痛みが継続的に感じられるようになり、近隣の整形外科で治療中。
現在「リマチル錠100mg」と「アザルフィジンEN錠250mg」を服用中。
痛みは治まっている。

掌蹠膿疱症

某大学病院で治療中。
10年以上ステロイド剤を塗布しており、その影響も懸念している。

リウマチの原因と治療法のアドバイスをいただきたい。

免疫系疾患の病態の理解

免疫系疾患に共通する病態は「免疫の異常」です。

関節リウマチと掌蹠膿疱症は、免疫のタイプの違いはありますが(関節リウマチはIgG、掌蹠膿疱症はIgA)、両者ともに免疫亢進による病気です。

掌蹠膿疱症では、抗体産生を促進するヘルパーT細胞の割合が増加することが報告されています。

免疫機能が高くなることは、細菌感染には有利ですが、高すぎる状態が続くと自分の関節や皮膚、腸管、腎臓などを攻撃することがあります。(自己免疫疾患と呼ばれます)

しかし、免疫が反応するからには、必ずなにかしら原因があるはずで、その原因
(隠れた感染や、炎症、化学物質や重金属汚染など)を見つけることは極めて重要です。
それを検査せずに、高くなった免疫状態だけをステロイド剤で抑える事は、病態を複雑にします。

例えば、一つは、免疫が抑制されるため、自然な免疫寛容が起こらなくなること。
もう一つは、ステロイドのフィードバックにより副腎が委縮することです。

免疫が抑制されるほど、脱ステロイドをしたときのリバウンドは強くなります。

以上より、「免疫系疾患」の治療方針は、「免疫の正常化」「副腎のケア」となりますが、ここで忘れてはならないのが、「ミトコンドリア機能改善」です。

このような状況では、往々にして、免疫細胞のエネルギー状態は低下しているからです。
これをフレームワークで表すとこうなります。

画像の説明

免疫機能改善のアプローチ

画像の説明

まずするべきことは、腸内環境改善です。
末梢免疫の60%が腸に集まっているからです。

腸内環境検査を行ったところ、腸内細菌バランスの乱れと腸内の強い炎症がみられました。
また、腸管内の免疫状態も亢進を認めました。

重金属のチェック

上述のように、重金属汚染は免疫を亢進させる重要な因子ですから、「免疫系」疾患の場合は、必ずスクリーニング検査を行っておく必要があります。

画像の説明

この患者さんもその例にもれず、水銀など多種類の金属蓄積を認めました。

治療方針

以上の事から、この患者さんの「免疫異常」の原因は、

・腸内環境が乱れ、腸に炎症を起こしていること
・重金属が蓄積していること

と判明しました。

治療は、「腸内環境」を整備し、「水銀を除去」することになります。

治療

腸内細菌バランスを整えるために、善玉菌数種類と炎症を抑えるサプリメントを投与しました。
忘れてならないのが食事指導です。
食事内容が悪いと腸内環境を悪化させ、副腎にも悪影響を及ぼすからです。

その後に水銀除去のサプリメントを処方しました。

治療開始半年で、掌蹠膿疱症はほぼ改善、リウマチの薬もだいぶ減量できました。

フレームワークからみた思考過程

以上の思考過程をフレームワークで見るとこのようになります。

画像の説明

(診断、治療内容は実際は複雑ですが、フレームワークの理解のために簡略化しています)

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